「経営・管理」ビザの審査基準5~10

5.出資の原資

「経営を行う」というのは、申請人が経営に実質的に従事しなければなりません。
これは、取得した株式の割合や事業に投下した資金の出所等、事業開始に至る経緯全般から判断されます。
例えば、外国人留学生が日本で起業する場合、その調達した原資は厳しく審査されます。
在学中に、違法なアルバイトをして貯めたお金ではないか等が審査されますので、投資額をどのように調達したかを合理的に説明する必要があります。
留学生以外のビザを持っている外国人が起業する場合も同様です。
このような場合は、海外から送金したことが明らかとなる通帳写し等により立証することになります。合理的に立証する為には、資本金の送金は振込送金が望ましいです。

6.他の在留資格との関係

6-1「技術・人文知識・国際業務」との関係

「技術・人文知識・国際業務」ビザで在留していた外国人が昇進して、経営者・管理者になったとき、直ちに「経営・管理」ビザに変更されることまでには要求されません。現有ビザの満期に合わせて「経営・管理」ビザに変更すればOKです。

6-2「法律・会計業務」、「医療」との関係

弁護士・公認会計士等の専門知識をもっている外国人が企業に雇用され、経営又は管理の活動をする場合、「経営・管理」ビザに該当します。

弁護士、公認会計士、行政書士等の資格がなければ、行うことが出来ない活動(独占業務)は、「法律・会計業務」ビザに該当します。

病院の経営は、医師の資格を有する外国人が行うものであっても、「医療」ではなく、「経営・管理」在留資格に該当します。

6-3「短期滞在」との関係

日本法人の経営者に就任し、かつ日本法人から報酬が支払われる場合は、その者が経営等に関する会議、連絡業務、商談等で短期間来日する場合であっても、「経営・管理」の在留資格に該当します。
なお、当該日本法人の経営者に就任していない場合や、就任していたとしても日本法人から報酬が支払われない場合には、「短期滞在」の在留資格で入国し、当該会議等に参加することになります。

7.共同出資の場合と共同管理の場合

複数の外国人が共同出資したり、事業を共同管理する場合、その外国人全員が「経営・管理」ビザが許可されるわけではありません。
事業規模、業務量、売り上げ、それに見合った従業員数等から、複数の人が経営・管理をする必要があるのかが審査れます。

具体的には、
①事業の規模や業務量等の状況から勘案して、それぞれの外国人が事業の経営又は管理をすることについて合理的な理由が認められること。

②事業の経営又は管理に係る業務について、それぞれの外国人ごとの業務の内容が明確になっていること
③業務の対価として報酬が支払われること

例えば、外国人AとBがそれぞれ500万円以上を出資し、新会社を設立して、2人ともに役員になったとしても、全員に「経営・管理」の在留資格が認められるわけではありません。
会社の事業規模、業務量がそんなに大きくない場合、Aのみが「経営・管理」在留資格が許可される可能性があります。Bは、「技術・人文知識・国際業務」等のビザを検討することになります。

部長、工場長、支店長等管理者についても同様です。
事業の規模がそんなに大きくない場合、「経営・管理」ビザを取得出来ない外国人は、「技術・人文知識・国際業務」、「企業内転勤」等のビザを検討することになります。

8.「経営・管理」に従事する外国人の現業活動

外国人が、主たる経営又は管理の他に、従たる活動として行う現業に従事する活動は、「経営・管理」の在留資格の活動に含まれます。(審査要領)

例えば、中華料理店を経営する外国人は、主たる業務として調理業務をすることはできませんが、調理業務が経営の一環として、従たる業務である場合は問題ありません。

9.会社設立登記

入管法上、会社の登記事項証明書の提出は必須ではありませんが、実務的には、会社設立後、登記事項証明書を提出して申請するのが一般的です。
代表取締役の全員が日本に住所を有しない場合でも、会社設立の登記はできます。

10.日本の銀行口座がない場合

外国人が日本で新規で会社を設立する場合、資本金を振り込む銀行口座が必要ですが、「短期滞在」の場合、銀行口座を作るのが難しいことが多いです。
このような場合は、日本で口座が開設できる日本人や中長期在留外国人を共同発起人として、手続をする方法があります。

実質的な経営権を有するとのことで、申請人の出資比率を過半数になるように設定し、資本金を共同発起人の口座に振り込み、会社設立後に株式を全部買い取ることもできます。

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